2011年3月

地震による住宅被害に対する瑕疵担保責任

今回の東北関東大震災の被害にあわれました皆様に心よりお見舞い申し上げます。
不幸にして、住み慣れた住宅を失われた方を含めて、地震による建物・住宅への被害にあわれた方もたくさん居られると思います。

建物が地震被害を受けた場合、地震保険への加入をしていれば、補修費用としての保険金が支給されますが、まだまだ加入率は低いのが現状です。マンションの火災保険オプションである地震保険では、主要構造部の損害額が、建物の時価の3%以上20%未満の損害(一部損)では、保険金支給率が相当低くなり保険料の高さの割にはあまり足しにはならないと言う状況もあります。

地震保険へ加入していない場合、瑕疵担保責任は問えないかと言うことになりますが、残念ながら瑕疵に対する保証書や請負契約約款には多くの場合大地震などの天災地変により生じた損害については、住宅供給会社の責任は免責される旨の条項が入っているはずです。

それでも何とかならないか・・・・・    以下の判例が参考になります。 

神戸地方裁判所平成14年11月29日判決は、阪神淡路大震災が起因して不同沈下をしてしまった住宅について、「建物の設計・施工・監理に瑕疵があり、それを原因として、本件建物には震災を契機に、被害が発生又は拡大したことが認められる場合、震災の損害も賠償すべき責任がある。」として、工務店に対し、2855万円の賠償を命じました。


瑕疵とは経年劣化と異なり、引渡し時点で存在していた不具合のことを言いますが、地震のおかげで、今まで潜んでいた瑕疵が顕在化したとして、工務店等に責任を問うことも考えられるようです。

但し、損害賠償等をするには瑕疵が引渡し時点で存在していた事を裁判所に認めて貰わなければなりません。

福島第一原発.jpg

判りやすい例で説明すると、

① 津波に合うと放射性物質を放出する原子力発電所には、 元々瑕疵が存在していたことを裁判所が認めるならば、避難を余儀なくされている周辺住民は、津波のおかげで、今まで潜んでいた瑕疵が顕在化したとして、T電力に瑕疵担保責任を問い、損害賠償請求することが考えられます。

 地震に合うと計画停電を実施する電力会社には、元々瑕疵が存在していたことを裁判所が認めるならば、停電を余儀なくされている消費者は、地震のおかげで、今まで潜んでいた瑕疵が顕在化したとして、T電力に瑕疵担保責任を問い、損害賠償請求することが考えられます。

元々という部分が重要です。

 ① において電力会社は、「津波は天災で想定外の規模であった」と主張し、周辺住民は、「津波に合っても放射性物質は放出しないとT電力は約束していた」と主張することになるのでしょうか。想定内の津波に合っても同じ結果だったりして・・・・・。

 ② において電力会社は、「地震は天災で想定外の規模であった」と主張し、消費者は、「一方的に電力供給を停止できる契約は消費者契約法に違反している」と主張することになるのでしょうか。T電力は、困るのであれば引っ越しする自由があるではないかと主張するかもしれません。

果たして判りやすい例だったでしょうか。心配です。

福島第一原発2.jpg

参考となる判例をもう一つ。
     >>>>>仙台高裁判決 平成12年10月25日(判例時報 1764号 82頁)
宮城県沖地震によって分譲住宅地に亀裂、地盤沈下が発生したことにつき宅地の売主である仙台市に瑕疵担保責任が認められた事例

10年に1回程度、震度5の地震が発生している地域なら、それに耐え得る宅地でなければ瑕疵があるとされた。一審では、震度は6だったと行政側が主張し想定外の天災だとして原告の請求を棄却したが、控訴審では、震度は5だったとして瑕疵担保責任が認められた。

この論法を踏襲すると、仮にT電力が事前に想定した津波高さが5mだったとした時に、
 ① 今回の津波高さが5mを超えるものであれば、設置を許可した行政の責任(許可基準の甘さ)の比重が増す方向
 ② 今回の津波高さが5m以下のものであれば、T電力の未来が限りなく真っ暗になる方向
となりそうです。

模型実験をすれば分かってしまうので、元々何メートルの津波高さまでは安全であったかについては、公表しないほうが賢明だと思われます。

関連記事:■地震の強さと瑕疵担保責任    ■「対処能力超えた」原子力安全委員長、反省の弁

       ■特定住宅瑕疵の瑕疵担保責任   ■復旧及び建替え - マンション管理士、管理業務主任者に必要な基礎知識

       ■災害復興住宅融資   ■計画停電、エレベーターは油断禁物閉じ込め注意 読売新聞2011年3月22日

       ■東京電力の計画停電に伴うエレベーター利用停止に関する注意について

        ■ご自分のマンションの耐震性を確認したいマンション管理組合の皆様へ

       ■全国被災建築物応急危険度判定協議会

原子力発電所の津波対策

  今回の東北関東大震災の被害にあわれました皆様に心よりお見舞い申し上げます。 被災されたお家の事でご相談されたい事がありましたら、電話かメールにて無料で承ります。電話代のみご負担ください。       電話番号/アドレスは、右上に表示。津波対策.JPG

特報:原発事故、「揺れではなく津波が原因」とT電社長 にて、

電力のS社長は3月13日夜、東北地方太平洋沖地震発生後に初めて記者会見を開き、福島第一原子力発電所1号機が被災した原因を「地震による揺れではなく、想定外の津波が非常用電源にかかり機能しなくなったため」と説明した。

 と言う記事を読み、また今回の地震とそれに伴う津波の映像を見て、海岸沿いで津波の被害を受けないようにするにはどうすればよいかを、浅学をもとに考えてみました。

上のスケッチがそうですが、どうでしょうか。防潮堤以外の所は所詮津波の被害から守ることはできませんが、どうしても守りたい所はこんなイメージで守ることになるのではないでしょうか。 

なお、太陽光発電パネルが被害を受けた場合の、注意点が公表されています。ご注意をお願いします。

特報:壊れた太陽電池パネルは素手で触らない  ケンプラッツ 2011/03/18

太陽光発電協会は3月18日、東日本大震災の影響で壊れた太陽電池パネルについて、取り扱い上の注意点をウェブサイトに掲載した。

 壊れた太陽電池パネルでも太陽の光が当たると発電する可能性がある。屋根から外れて家屋などのがれきと一緒に積み上げられた太陽電池パネルは、感電するので素手で触らないようにと警告している。以下に作業の手順を示す。

(1)素手で触らないこと。
(2)救助および復旧作業などで壊れた太陽電池パネルに触れる場合は、乾いた軍手やゴム手袋など絶縁性のある手袋をする。
(3)複数の太陽電池パネルがケーブルでつながっている場合は、ケーブルのコネクタを抜くか、切断する。可能であれば、太陽電池パネルに光が当たらないように段ボールや板などで覆うか、裏返しにする。
(4)可能であれば、ケーブルの切断面の中の銅線がむき出しにならないようにビニールテープなどを巻く。
(5)太陽電池パネルを廃棄場に運ぶ際は、念のため、ガラスを金づちなどで細かく破砕する。

 関連記事:プレゼンテーション力と情報発信力の関係     小田急線の計画停電

       特報:10mを超える津波が発生した可能性 ケンプラッツ 2011/03/18

 

津波波高.jpgのサムネール画像のサムネール画像 

解析によって示された津波の最大波高分布。システム上、最大10mの波高までしか示していないが、地点によっては10mを超える計算値が出た(資料:建築研究所国際地震工学センター)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

関連情報:東北地方太平洋沖地震 発生地点・規模・時刻分布図
 

プレゼンテーション力と情報発信力の関係

昨日は、福島第一原子力発電所の現状についての、当局のプレゼンテーション力の評価について、暴言を吐いてしまい反省しております。自分が不勉強なだけでした。

当局の記者会見は、世界各国に対して相当の情報発信力を持っていたことに驚かされています。昨日以来、中国を除いて原子力発電施策を見直しているようです。

主要国の電源別発電電力量の構成比.jpgドイツでは、2021年を目処にすべての原発を停止する予定でしたが、前倒しして停止することを検討するそうです。

相当なパンチ力です。

ベトナムでの原発受注は困難となるかもしれません。

T電のやる気のなさ及び危機感のなさは、十分な力を持って情報発信できています。実際の危機的状況を遥かに超えて、不安を煽り立てています。

T電の社長は、今の広報チームの交代を考えているかも知れませんが、将来の原子力発電・太陽光発電の事を考えると、今のままのチーム続投が適切だと思います。

現地で燃料棒廃棄処理されている方々におかれましては、健康被害に十分留意されて、奮闘されることを祈ります。

周辺環境は、3.7ミリシーベルトであり安全だと専門家は主張しています。安全だと主張するなら、自ら燃料棒のそばまで行ってバケツで水を掛けて欲しい。危険な場所や、危険拡大要因のある状態を、危険な状態、すなわち安全ではない状態と言います。安全な場所もあります。事はよく判っています。

安全な状態とは、ヘリコプターや高圧放水車で水を掛ける状態でしょうか。見せて貰えば判りますし、安全か安全でないかが分からない状態の事を、危険な状態と一般的には言うと思います。

この原子力発電所を建造したゼネコンに昔在籍していました。妻子のいない志願者を募り、交代で現地作業をしているそうです。

関連記事:■ 小田急線の計画停電

■ 特報:原発事故、「揺れではなく津波が原因」と東電社長 ケンプラッツ 2011/03/13

東京電力の清水正孝社長は3月13日夜、東北地方太平洋沖地震発生後に初めて記者会見を開き、
福島第一原子力発電所1号機が被災した原因を「地震による揺れではなく、
想定外の津波が非常用電源にかかり機能しなくなったため」と説明した。

>>>>>>>>>>原子力発電所の津波対策

■ シャープ、被災地に太陽光発電システム250台寄贈   日経 011/3/17 20:26

シャープと新神戸電機は17日、東日本巨大地震の緊急避難所に太陽光発電システム250台を寄贈すると発表した。太陽光さえあれば発電できる独立電源として活用してもらう。それぞれ容量180ワット時の蓄電池を備えており、携帯電話の場合、120台を約1時間で充電できるという。

■ 東日本大震災:福島第1原発事故 3、4号機の燃料プール沸騰 冷却急務に 毎日新聞 2011年3月17日 東京朝刊

■ 米、原発80キロ圏に退避勧告 情勢悪化で独自判断 長崎新聞03/17 

■ 福島原発、最悪「レベル7」も 米シンクタンク指摘  山陽新聞 2011/03/16

世界の核関連活動を監視する米シンクタンク、科学国際安全保障研究所(ISIS)は15日、東日本大震災に伴う福島第1原発の事故について「状況は相当悪化した」との見解を発表、事故・トラブルの8段階の国際評価尺度で上から2番目の「レベル6」に近く、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故と同じ最も深刻な「レベル7」に達する可能性もあると指摘した。

  米科学者らでつくる「憂慮する科学者同盟」は同日、事態が悪化すれば、より多くの放射性物質が東京にも拡散する可能性があると表明。最大の懸念材料として、施設内の放射線量が高くなり、作業員による原子炉を冷やす作業が難しくなっていることを挙げた。

 経済産業省原子力安全・保安院は国際評価尺度で上から4番目の「レベル4」に相当すると評価している。福島第1原発では、2号機で爆発音があり原子炉格納容器の圧力抑制プールが損傷。4号機でも爆発音がして火災が発生、外部に高濃度の放射性物質が漏れたとみられている。

 ISISの所長で物理学者のデービッド・オルブライト氏は「福島第1原発の衛星写真や報道、米軍や日本政府が測定した放射線量のデータなどを総合的に分析した」と話している。

 福島第1原発事故をめぐっては、フランスの原子力安全局も、「レベル6」に相当するとの見解を示している。

 

小田急線と計画停電

T電力による計画停電に振り回されています。

昨日は、朝仕事で東京四ツ谷へ行こうとしました。小田急線は運休予定でしたが、T電が計画停電を中止しましたので動いているのではないかと思いましたが、行ってみると小田急としては予定通りの運休でした。

本日相模原市南区は、グループ4に当たりますので、9:20~計画停電の予定でしたが、またまたなんの断りもなく予定が変更されて、計画停電を中止されてしまいました。

相模大野駅201103.JPG

小田急HPでは、相模大野―小田原間を除いて、間引き運転と案内されていましたので、確認のため相模大野駅に行ってみると、その通りでした。

T電に比べると、小田急さんには、計画性があります。T電に節電を要望されているので、駅構内は普段より相当暗い状況でした。

福島の原子力発電所では、大きなトラブルを抱えていますが、無計画停電の様子を見ていると、無理からぬことだと思います。

総理は、T電に乗り込んだそうですが、原子力発電所の危機管理は、T電に見切りをつけて某関西方面にあるK電力の協力を得た方が良いかも知れません。

スリーマイルの経験を積んだUSA処理班に頼るのも選択肢でしょう。それをT電に通知しても無駄です。それを直接T電に通知しても無駄です。競争企業がありませんから喜んで福島から撤退します。T社にはエネルギー供給会社地しての責任感が欠如しています。

今日はそれがよく判りました。

供給先グループの中で鉄道会社等特定の電力消費者のみに供給することは不可能との説明でしたが、検討した結果、明日からは鉄道会社には供給することになったようです。最初から計画的に検討すべきです。

被災地域も計画的に停電対象にしているようです。

明日は計画できない会社の情報に惑わされないで動いてほしいと希望します。


 

 山口県知事、上関原発の工事中断を要請  日経 2011/3/14 15:31

 山口県の二井関成知事は14日、中国電力が計画している上関原子力発電所(山口県上関町)の建設準備工事を当面見合わせるよう13日に中国電に要請したことを明らかにした。東日本巨大地震で被災した東京電力の福島第1原発(福島県)での事故発生を受けた措置。知事によると中国電は「申し出の趣旨を重く受け止める」と回答したという。

 中国電は2009年12月に国に上関原発の原子炉設置許可を申請。12年6月の着工予定で、海面埋め立てなどの準備工事に着手している。

 二井知事は原発の安全性全般について「検証する必要がある。県民の不安は今回の件で高まっている」と述べた。

 


各電力会社は、新規の原子力発電所を設置するのはあきらめて、情報を公開し、太陽光発電への投資する方が良いでしょう。

太陽光発電設備は、商用電力停電時には、自立運転が可能です。


太陽光発電の自立運転で計画停電に備える  ケンプラッツ 2011/03/14

太陽光発電自立運転.JPGのサムネール画像

 

 住宅分電盤のブレーカーを主電源用、太陽光発電用の順に遮断し、本体を自立運転モードに切り替える。さらに、パワーコンディショナに付いている自立運転コンセントに延長コードをつないで、延長コードを電気製品に接続する。自立運転コンセントの位置や自立運転モードへの切り替え操作は機種によって異なる。

 自立運転を終了後は、最初と逆の手順で元に戻す。

 手順で厳守したいのは、自立運転コンセントを延長コードにつなぐこと。太陽光発電所ネットワーク理事の國井範彰さんは、「延長コードではなく家庭用の電気配線に直接つなごうとする人がいるが、そうすると近隣に発電した電気を供給してしまう恐れがある」と説明する。

  

晴れていなければならないことが難点ですが。

福島原子力発電所の吹き飛んだ屋根がもし再び掛けられるようなことがあれば、蓄電設備を附置した、太陽光発電設備を是非とも載せるべきでしょう。

今15:50、T電の記者会見を聞いていますが、意味が全く分からない。世の中にこれほどプレゼンテーション能力のない会社が許されていいのでしょうか。テレビカメラに向かって説明するのであれば、視覚に訴えなければ、効果はない。文書を作る時間があれば、絵(PPTとか)は作れる時代であろう。所詮君たちには理解できないであろうことを前提にした説明に感じます。

ビルの消火設備用非常用電源である自家用発電機は、よほど試運転を真面目にしていないと、いざと言う時には役に立たない。電力会社にとっては釈迦に説法だが。

そもそも、電力会社には非常電源専用受電はできないのであろうか。

消防ポンプ車が冷却水を供給している絵を見たが、ポンプ車が搭載している燃料はたかが知れている。燃料タンクは別に設置すべきであろう。何とかもう少し発電することには慣れた企業になって欲しいと思います。

この教訓を生かす機会がないことを祈ります。

 関連記事:■共同住宅にて自家発電設備発見!   プレゼンテーション力と情報発信力の関係

       巨大地震で日本が2.4メートル移動、米地質調査所  2011年03月13日 13:18 発信地:ワシントンD.C./米国

 

 

雪止めの効果

宮城・南三陸町.jpg大変な地震でした。生まれて来てから最大級です。
我が家では、食器棚が特に大きく揺れて、高級?食器がたくさん割れました。

 

長野県等雪国での被害画面を見て感じるのですが、屋根に雪が乗ったまま崩壊している住宅が多い事に比較して、残存している住宅の屋根には雪が残っていないことが気になります。
地震の揺れで屋根上の雪が払い落とされたのかも知れませんが、崩壊した住宅には不思議と屋根の上に雪が残っています。

雪国では雪止めを付けないのが常識ですが、間違って雪止めを設置していなければ良いがと心配します。

雪止めは、隣の高級外車や人に落雪するのを防ぐために設置しますが、落雪しても良いように屋根の形を設計すべきです。

屋根に積雪している時に地震が来ると、格段に崩壊し易くなります。
 (写真)産経ニュース2011.3.13  01:13 より
 

雪止め金具.jpg軽量屋根にリフォームして雪止め を付けている屋根をよく見かけますが、自己矛盾しています。

屋根に積もった雪はできるだけ速やかに滑り落とさせましょう。
屋根を急こう配にして雪が滑り落ち易くはしているのに拘わらず、雪止めを付けている屋根はまさか無いですよね。

比較的温暖な地域で勾配の緩やかな屋根では、稀に雪が降った時には地震は来ないと確信している方が、雪止めを付けます。

まだどの局も地震報道のみが流れていますが、発生直後の女性アナウンサーが、すっぴんのままヘルメットを被って必死に伝えている横で、楽しそうに第3者然としている評論家が気に障ります。
屋根と雪止めの関係に似ている様に感じました。

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