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ファミマのリストラ大失敗の巻

こんにちわたいらです。

 

昨今大きな話題となっているファミマの黒字リストラについて

できるだけコンパクトにまとめてみたいと思います。

情報の真偽についてはほぼネットにあるものを搔い摘んでいるので

100%ではないですが、そんなにどこもズレが無かったので大きな間違いはないと思います。

 

【前提】

・ファミマは2018年に伊藤忠の子会社になっており、経営陣は伊藤忠の出向者だらけ

・2016年にサークルKサンクスと統合し、ファミマの店舗数はセブンイレブンに次ぐ業界2位へ。

 ところが同エリアの食い合い等による不採算店舗の閉店が加速、ローソンに追い越される勢い。

・とはいえ売上5250億円、純利益500億円で黒字は維持できている

 

で、時系列で今回のお家騒動を追っていきます。

 

【一連の流れ】

① 2019年11月に現場40歳、本部45歳以上を対象とした800人枠の早期退職者を募る、と発表。

 2000万円上限の早期退職金、再就職支援等を盛り込む

② 2019年末時点で1100人以上が応募意向を示す

③ 「会社があなたに何をしてくれるのかではなく、あなたが会社に何をできるか考えてほしい」

 とのありがたーいメッセージが社長から社員へ向けてリリース

④ こりゃやべーな、と応募意向者が1500人に増加

⑤ 「いらないヤツだけ適度に辞めてもらおう」という計画が脆くも崩れ去ったため、

 「適用否認」として早期退職金出さないこともあるからね?というしれっと後出しじゃんけん

⑥ 1月28日、募集期間を 2月10日~21日 ⇒ 2月3日~7日 へ前倒し、期間も短縮すると

 しれっと後出しじゃんけん

⑦ 案の定計画的リストラ策であったことを裏付ける社内資料がダイアモンドに流出、2月5日リリース

 対象社員を4段階に分けて応募勧奨していたことが白日の元に晒される

⑧ 早期退職への応募者は忠誠心が低い、との判断の元、現場出向等の降格処分が下るとの

 盛大な後出しじゃんけんの噂

 

ちょっと面白いから公式HPの基本理念から抜粋。

 

あなたと、コンビに、ファミリーマート

 
 

コンビニなのに、ファミリーと名乗ってる。ファミリーマートという名前は私たちの出発点であり、めざす姿です。


レジを打っているストアスタッフも、声の大きな店長も、みんなが一軒の小さな商店を切り盛りする家族のようにつながって。

お客さまにとっては、地域の家族のような存在になりたい。

そう思い描く姿が、この名には込められているのです。


だから、私たちはもっと「あなたと、コンビに」ならなくては、と思います。

この言葉の意味を、今こそ問い直さなくてはと。

ファミリーマートが選ばれる理由が「あなたがいるから」であるように。

 

 

まだ最終的な経営、人事判断が下されたわけではないので数値面では何とも言えない部分はありますが

見事にファミリーの口減らしに失敗したのは間違いないでしょう。

 

①の早期退職者募集については黒字企業だろうが上場企業だろうが昨今は当たり前です。

40歳を超えて会社にぶら下がっている、生産性が低く人件費の重たい社員はいらんよ、と。

 

②で大きく目算を外してしまった。思ってたよりファミリーの血縁関係は希薄だった。

 

③のメッセージについては前後の脈絡がわからないですがファミリーには

「おめーら飯ばっか食ってねーでもうちょっと父さんに楽させろや」に聞こえてしまった。

1100人を800人に減らすためのメッセージに振っていれば・・・

ここがかなり経営側の失態だったように感じます。

 

で④~⑦の通りすったもんだして現在に至るわけですが、

ここまで情報がダダ洩れしてしまった以上⑧の断行は困難なのではないか、と。

 

プロパーのファミリーを中核から締め出して上流階級の愛人をたくさん囲った結果

子供達が親の愛を感じられなくなってしまった、という側面もあるのではないでしょうか。

 

再三私がこのブログでも申し上げていることですけども

「経営」と「運営」はかなり密なコミュニケーションを取らなければ同じ方向を向けません。

 

労働力不足、賃金上昇、eコマースの台頭・・・

当然それらを盛り込んだ上での今回のリストラ大作戦だったのでしょうが

ちょっと経営層が運営側との距離間を測り損ないましたね。

 

今後双方がどのように歩み寄りを見せるのか

はたまたバッサリと切り捨ててしまうのか、要注目です。

 

でわでわ

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