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アテンポリフォーム日誌でタグ「液状化」が付けられているもの

浦安住民が液状化でM不動産を提訴

千葉県浦安市で、東日本大震災によって液状化被害を受けた住民が不動産会社などを訴える動きが相次いでいます。
  訴訟ドミノ、液状化で浦安住民が三井不動産を提訴 ケンプラッツ 2012/03/19

構造耐力上主要な部分や雨水の侵入を防止する部分に対して、10年間の瑕疵担保責任を住宅供給者側に求めている品確法では、地盤はその瑕疵担保責任の対象ではありませんが、訴状では「軟弱であるにもかかわらず、地盤状況を考慮しない基礎を設計したために不同沈下が生じた場合には、土地の瑕疵であるとともに基礎の瑕疵である」と主張してます。

自然条件・設計与条件である「土地の瑕疵であるとともに」の部分は異論の有る方もあるでしょうが、「地盤改良費は土地売主負担とするのが原則」と言う判例も有ります。
 

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今日、震度により液状化の可能性がある地域は、明らかになりつつある時代ですから、「地盤状況を考慮しない基礎を設計したために不同沈下が生じた場合には、基礎の瑕疵である」とする所は、異論が無いのではないでしょうか。

見方を変えると、埋立造成地は何年目までが人工物で、何年目以降が自然物なのかと言う事かも知れません。
自然に対して瑕疵担保責任は問えませんから。

売買契約は2004~05年。

設計時に設計者が対液状化に関する性能・情報を知り得たかどうかが争点になると思われます。

司法の判断が待たれます。

 

 

 

 

 

関連記事:地震による液状化対策案       地盤改良費は土地売主負担とするのが原則
       地震の強さと瑕疵担保責任      地震による住宅被害に対する瑕疵担保責任


関連情報:千葉県浦安市の地価動向。埋め立て地でない元町地区は下落率が小さい(資料:国土交通省)
       国土交通省告示第1113号2項
       平成13 年国土交通省告示第1347 号
       木造住宅が液状化で傾いたら建基法違反か? ケンプラッツ 2011/05/31

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地震による液状化対策案

   2011年3月11日に発生した東日本大震災では、各地で地盤の液状化が多発しました。住宅の構造的な被害が無いまま傾いてしまった方からの相談については、お気の毒であると同時に応え方が法律的に難しい面があります。
 


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 浦安市の液状化被害状況     宅地で解なき難題、液状化現象 ケンプラッツ 2011/05/26

 
地盤改良費は土地売主負担とするのが原則であるとする時代ですから、今回の液状化により住宅が傾いた所有者は、土地の売主や住宅供給者に対して損害賠償請求できるのでしょうか。

それとも、地震と言う不可抗力が原因なので、命に別状が無かったことを幸運だと思って、このまま住み続けるしかないのでしょうか。
地震保険に加入していれば、ジャッキアップ費用は全額保険金で補填できるのでしょうか。

建築基準法では、その告示1113号(2001年)にて、地震時に液状化する恐れのある地盤などについて、基礎を含む建物の設計者は、建物に「有害な損傷、変形および沈下が生じないことを確かめなければならない」と定めています。 が、これは行政によるアリバイ作りに思えます。

品確法では、住宅の地盤を法律の対象とはしていませんが、地盤調査をした上でその性能に適した住宅基礎を設計・施工する事としています。しかし、構造上支障が無いまま住宅が傾くことは、瑕疵担保責任を10年間義務づける特例対象の構造耐力上主要な部分の瑕疵では無いようです。

ではどうすれば、救えるのでしょうか。

液状化への耐力性能値(例えばFL値等)は、ボーリング調査すれば数値化できますから、まずはFL値等を地盤の重要性能値として告知義務化する事から始めたらどうでしょうか。
FL値の低い土地の値段は下がるでしょうし、FL値の低い土地の所有者は、高めるために改善化投資をするようになるでしょう。
 

  こうすることで、住宅供給者側が液状化から眼を背けなくなる気がします。

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既存の判定法による液状化の見逃しはなし

関東地方における液状化被害実態とFL法による液状化判定結果との整合状況。国土交通省が設置した液状化対策技術検討会議の検討結果に基づく             現状の液状化判定式は妥当」、国交省の検討会議 ケンプラッツ 2011/09/06


 
関連記事:地盤改良費は土地売主負担とするのが原則

       地震の強さと瑕疵担保責任  地震による住宅被害に対する瑕疵担保責任

関連情報:建設省告示第1347号(2000年5月23日)

       液状化のハザードマップにおける作成方法の現状と問題点  第 30 回土木学会地震工学研究発表会論文集

国土交通省告示第1113号
第2項
地盤の許容応力度を定める方法は、次の表の(1)項、(2)項又は(3)項に掲げる式によるものとする。 ただし、地震時に液状化のおそれのある地盤の場合又は(3)項に掲げる式を用いる場合において、 基礎の底部より下2m未満までの間にスウェーデン式サウンディングの荷重が1kN以下で自沈する層が存在する場合、 若しくは基礎の底部より下2mから5mまでの間にスウェーデン式サウンディングの荷重が500N以下で自沈する層が存在する場合にあっては、 平成12年建設省告示第1347号第2に定める構造計算を行うものとする。
 

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